マルジェラ愛

あたしは貧乏人のくせに、周囲(主に彼氏)が呆れるくらいに
マルタンマルジェラというブランドが好きです。
他にも、mina perhonenツモリチサト、MARNI、ギャルソン(tricot)には強い執着心を持ち、
逆に言うと、他のブランドにはあまり興味がありません。
自分の体型に合っていて、かわいければブランド関係なくなんでもいい方です。
コンセプトがはっきりしていて、アート性のある服が好きです。


上記に挙げたブランドは、商品もそうですが、ブランドの明確なコンセプトが好きなのです。
流行に流されず、消費者に媚びない。見ているだけで美術館にいるような気分になる服。
もちろん、どれも高価なのでそう簡単には買えませんが、
気付けば、自分の持ち物のほとんどは上記のブランドのものです。
しかも、ほんとに長く着れる。長く使える。
ギャルソンtricotの、切り替えが凝ったニットを持っているのですが、
これはあたしが高校生の時に大枚をはたいて購入したアイテムで、
かれこれ10年以上経ちますが、今でも愛用しています。


で、何の話かというと、マルジェラのMM6というラインのブランドブックが出たのです。
正確に言うと、出版されたのは少し前で、あたしも予約していたのですが品切れ状態で、
2ヶ月程待って、ようやく昨日商品が到着しました。

定価が1万円程するのですが、ブックの価格はたいしたことないはず。
付属のデニムバッグが高いんです、きっと。
何の変哲もない、ジーンズのヒップ部分をバッグにしただけのデザインですが、
常に着用する側の実験性に一部を任せるのがマルジェラの素敵なところ。
このシンプル極まりないバッグに手を加えて世界にひとつだけの自分のバッグを作るのです。
あたしのは、ウエストの部分に使っていないエスニックのチェーンベルトを巻いて、
インドシルクの糸でステッチをしていこうかなと思ってます。
ちょうど、バイクに乗ったとき用の斜めがけバッグが欲しかったところなんです。


先日、多彩なアーティストやタレントがスタイリングした
MM6のバッグがヤフオクのチャリティに出品され、売上金全額がユニセフに寄付されました。
http://www.martinmargiela.co.jp/jp/mm6-charity/mm6-charity.html


エイズTもそうだけど、マルジェラのチャリティ精神は、
きっと消費者はあまり汲み取ってないと思うんです。でも、それがいい。
我々は単純にマルジェラのファッション性に惹かれ購入し、
その売上がマルジェラの手によってエイズ基金等に寄付される。
そこに何の偽善性も生まれない。
これが正しい言い方なのか分からないですが、
つまり、エイズTを着ている人を見ても、ホワイトバンドのような印象を受けない。
でもそれは、マルジェラだからなし得ることだと思います。


ホワイトバンドのコンセプトは素晴らしいと思う。
一人一人の「ほっとけない」という少しの力を集めて、大きな力にした。
けれど、一種の流行に終わってしまった気がするのです。
ホワイトバンドを購入した人が、以後も募金協力に努めたかどうか…


ホワイトバンドに比べ、マルジェラのエイズTは高い。
1万円くらいします。チャリティ精神だけではなかなか出せない金額です。
だから、エイズ基金に役立てて欲しいと思っている購入者はほとんどいないでしょう。
購入者のほとんどは、マルジェラのかっこいいTシャツだから買っているんだと思います。
少なくともあたしはそうです。
我々が高いファッション性に惹かれて支払ったお金が、
結果的にエイズ基金になっているというだけの話。
でも、それって素敵なシステムだと思うんですよね。


ああ…なんか、こんな小難しい話をするつもりじゃなかったんですけどね…
MM6のブックが届いたよ、わーい!!って書きたかっただけなんですけどね…